【ピラニアの刺身】は絶品!

ブラジル
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ブラジル・パンタナール大湿原の魚料理

ブラジル・パンタナール大湿原で味わう、獲れたて鮮魚の美食体験!

ブラジルと聞いて、あなたはどんなイメージを抱きますか?サンバのリズム、情熱的なサッカー、そしてシュラスコに代表される肉料理…そう、どれもブラジルを象徴するものばかりです。しかし、今日私が皆さんにご紹介したいのは、そんなイメージとは一味違う、ブラジルの奥深い魅力。それは、世界最大の湿原「パンタナール」で体験する、大自然の中での釣り、そして獲れたての新鮮な魚料理です。

パンタナール大湿原は、自然が残る野生動物の宝庫。カピバラやワニ、色鮮やかな鳥たちが息づくこの場所では、川の恵みもまた格別です。

筆者撮影
筆者撮影 カピバラ

「ブラジルで魚料理?」と意外に思われるかもしれませんね。パンタナールには、驚くほど多種多様な淡水魚が生息しており、その味わいは想像をはるかに超えるものです。
特に、うわさで美味と言われているピラニアを釣り、それを使った料理は格別、現地の人はピラニアの刺身が一番美味しいと言います。それならば、自分で釣って味わおうと思い、いざ釣行へ!

私がブラジルへ行く前に読んだ愛読書「オーパ!」(ブラジルで、驚いたときにOpa !と言います)です。作家・開高健氏が綴る珠玉の文章と、息をのむほど美しいブラジルの大自然の写真を融合させた、唯一無二の作品です。広大なアマゾン川の悠久の自然、そして世界最大の湿地帯であるパンタナール大湿原の生命力あふれる風景が、豊富な写真で鮮やかに描かれています。手つかずの自然が織りなす神秘的な景観は、あなたの心に深く響き、知的好奇心と忘れかけていた冒険心をくすぐるはずです。

オーパ! 開高健 表紙画像
オーパ!(集英社文庫)開高 健

ブラジルのどこへ?

著者
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ブラジルは遠い・・・・・・。

この旅は、2023年5月に実現しました。
目的地は、ブラジル中西部にあるマットグロッソ州ポコネ(Poconé)。パンタナール観光の玄関口として知られる町です。

実はここに、友人が移住しており、今回の滞在では彼に大変お世話になりました

日本からポコネまでの道のりは、決して簡単ではありません。飛行機を何度も乗り継ぎ、乗り換えや待ち時間を含めると、なんと50時間以上の長旅(空路:大阪~ドバイ~サンパウロ~クイアバ+車1時間)。でも、その先に広がる大自然と再会の時間は、まさに人生のご褒美でした。

出典 Google

地元の釣具店で餌購入

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旅先の釣具店内は、好奇心がそそります。

ここがポコネの地元釣具店
一見素朴なお店ですが、地域ならではの道具や餌がそろっていて、見ているだけで楽しくなります。

壁に並んでいるのは竹竿。これは主に小型の川魚を釣るための竿で、地元では今でもよく使われています。

そして、私がここで購入する餌が、「Tuvira(トゥヴィーラ)」
見た目は日本のドジョウに似ており、この地域ではとてもポピュラーな釣り餌専用の小魚です。特にドラードやピラニアを狙う際には欠かせない存在。

地元の釣り文化に触れることは、ただ魚を釣る以上の楽しさがありますね。

釣り場は原生林広がるクイアバ川

【ブラジル釣り事情】いまや高級レジャー?パンタナールの大自然とボート群

川辺には、ずらりと並ぶたくさんの釣り用ボート
いまやブラジルでの釣りは、かつての素朴な娯楽から、裕福な人々の高級な趣味へと変わりつつあります。

とはいえ、目の前に広がる景色は昔と変わらず――
手つかずの大自然そのもの。

圧倒的なスケールの自然の中で過ごす時間は、何ものにも代えがたい体験です。

*地図の赤い矢印はランチをした釣り宿です。

釣り場はポコネから車で30分ほどのクイアバ川です。

ボートで川を走る臨場感を体験してください!

目の前に広がるのは、ずらりと並ぶ釣り用ボートの群れ
かつては誰でも楽しめた釣りも、今ではブラジルでは高級な趣味になりつつあります。

それでも、見てください――
この圧倒的な自然。パンタナールは、変わらぬ美しさで迎えてくれます。

筆者撮影 フィッシングボート
クイアバ川 全くの手つかずの自然です。
著者
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ボートで川を上る臨場感を味わってください。爆音なのでボリュームを確認ください。

いざ、釣り開始

【パンタナール釣り体験記】ドラードに出会えず…狙いを変えてジャイアント・イエローピラニア!

朝一番、ボートのエンジンを全速力で釣りポイントへ移動。いよいよ釣り開始!
でも、意外かもしれませんが――いくらここが魚影の濃いブラジル・パンタナールでも、そう簡単には釣れないんです。

目の前では、ときおり黄金の魚「ドラード(Dourado)」がジャンプ!
その姿にテンションは上がるものの、竿には全く反応がありません……。

🎯 狙いを変更、ジャイアント・イエローピラニアへ!

気を取り直して、ポイントを変更。今度はジャイアント・イエロー・ピラニアを狙います。

この魚は見た目以上にパワフル!肉厚な体で、身もしっかりしているため、食べても美味しいことで知られています。

アタリが来ると、まず「ゴツゴツ」と小さくついばむような前兆。そこから一気に食いつき、針にかかった瞬間に一気に走り出します

見た目は小ぶりながら、その力強さは本物。
日本から持参した竿は大きくしなり、リールからラインが唸りを上げて引き出されるほどのファイト!

この日は合計で3匹ゲット。すべて20cm以上の良型ピラニアでした。

ただし、針を外すときは注意が必要。
強靭なアゴと鋭い歯はまさに天然の武器。うっかり触れるとケガをしてしまうので、慎重に取り扱います。

🎣 パンタナールで味わう本気の釣り体験

釣果だけでなく、「釣れない時間」すらも含めて大自然との駆け引き
ブラジル・パンタナールでの釣りは、ただのレジャーではなく冒険と学びの連続です。


著者
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日本で経験できない釣りです!

3匹のピラニア

ランチはパンタナールの魚尽くし 最高!

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ランチは川べりにある釣り宿でしました。自然の中で食事です。

今回の釣行では、あらかじめ船宿にランチを予約していました。
木造のテラスと見渡す限りの自然、そして川辺に吹く風──このワイルドな雰囲気がたまりません。

ランチは、まさに川魚づくし
パンタナールの川魚は本当に美味しく、海の魚にも負けない旨味があります。脂がのりすぎず、あっさりとした上品な味わいは、何度食べても飽きません。

今回提供された魚料理は、すべてこの川で数日内に収穫された地産地消のもの。釣りたて・獲れたての新鮮な魚を、その場で調理して味わえるという贅沢。まさに自然と一体になった食体験でした。

🍽️ランチのメニュー

  • ① ピアブス(Piabussu)の甘辛焼き
      鯉に似た魚の甘辛焼き 日本人の口にあう淡白で甘辛味。
  • ② ピラオン(pirão) 素朴で家庭的:お母さんの味、田舎の味とも言われる。
      魚の煮汁にキャッサバ粉を混ぜて加熱して作る、とろみのあるおかゆのような料理。
      ご飯にかけて食べる。
  • ③ パクー(Pacu)のフライ パンタナールで一般的な魚フライ
      味は淡白で上品、白身で骨が少なめ
① ピアブス
② ピロン(手前のスープ)
③ パクーのフライ
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帰り際、スグロハゲコウが近くにいました。1mほどの身長です。

ピラニア料理 さしみとアクアパッツァ

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料理の覚えがある友人が、ピラニアのさしみとアクアパッツァを料理

友人宅へ戻ってからの夕食は、なんとピラニア尽くし

ピラニアといえば「凶暴な魚」というイメージが強いかもしれませんが、実は美味しい白身魚として、パンタナールでは貴重なごちそう。
ただし、骨がとても細かいため、ハモのように骨切りが必要なのが特徴です。

まず驚いたのがピラニアのさしみ
透き通るような白身は美しく、味はまさに絶品。私は日頃から海釣りをしており、魚の味には少しうるさいほうですが、鯛のような上品な甘みに驚かされました。

現地パンタナールの川辺に暮らす人々にとっても、「パンタナールで一番美味しい魚はピラニアのさしみ」と言われるのもうなずけます。

続いては、ピラニアのアクアパッツァ
加熱しても身が崩れず、しっかりとした歯ごたえがあり、味わいながらゆっくり楽しめます。
そして何より感動したのが、ピラニアから取れた濃厚な出汁。魚介の旨味が凝縮されていて、ごはんとの相性も抜群でした。

パンタナールの自然に囲まれた中で、こんなに贅沢な川魚料理を味わえるとは思ってもいませんでした。
釣り好き、旅好き、そして食にこだわる人には、ぜひ一度体験してほしい「ピラニア・グルメ」です。

🐟 ピラニアの刺身の味の特徴:

  • 淡白でクセがない味
     白身魚らしく、くさみはほとんどなく、あっさりとした味わい。
  • 食感はややコリコリ
     弾力があり、スズキやタイの刺身に似た食感とよく言われます。
  • 脂は少なめ
     トロのような脂っぽさはなく、さっぱりしているので、レモンやポン酢とよく合います。

まとめ・昔の思い出 念願の黄金の魚ドラードと対面

【夢のドラード釣り】開高健の『オーパ!』に憧れて──ブラジル・ポルトジョフレで叶えた体験

1998年から2001年まで、私はブラジルに滞在していました。渡航する前に実現したい夢は、黄金に輝くの魚「ドラード(Dourado)」を自分の手で釣り上げること。

この夢のきっかけは、作家・開高健の写真釣行紀行『オーパ!』。ページをめくるたび、彼が釣り上げた見事なドラードに心を奪われました。そしてその舞台となったのが、ブラジルのパンタナールにある「ポルト・ジョフレ(Porto Jofre)」。

現地でたまたま親しくなった友人に導かれ、ついにその憧れの地・ポルトジョフレへ。開高健と同じ川、同じ景色、同じ空気の中で釣竿を握った瞬間、胸が熱くなりました。あのときの感動は今でも鮮明に蘇ります。

こういった「憧れが現実になる瞬間」は、何度でも味わいたいものですね。
夢や目標は、心の中で描くだけでなく、実際に一歩踏み出すことで、きっと実現に近づきます。

もしあなたにも「いつかやってみたい」「ここに行ってみたい」と思っていることがあるなら、ぜひ行動してみてください。きっと忘れられない体験が待っています。人生は思いで作りです。

筆者
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